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ナバホ・インディアン

ナバホ・インディアン 文と写真:猪熊博行「風の民-ナバホ・インディアンの世界-(社会評論社)」著者
ナバホ・ネイションのオフィシャル・シール

ナバホ・ネイションのオフィシャル・シール

グランドキャニオン国立公園の東に広がる地域に、アメリカインディアン最大の部族、ナバホの住む大地があり、ナバホ・ネイション(ナバホの国)と呼ばれています。大きさは北海道ほどで、人口はおよそ30万人。 ここは準自治区になっており、彼等は議会を作ってこの地域を管理・運営しています。モニュメント・バレーやアンティロープ・キャニオンはこの地域にあるので、トライバル・パーク(部族公園)に指定されています。 アメリカインディアンは、氷河期に陸続きだったベーリング海峡を渡ってシベリアからアメリカ大陸に来たとされており、ナバホがこのアメリカ南西部に住み付いたのは14~5世紀だといわれています。 最初はトウモロコシなどを育てる農耕民族でしたが、アステカ王国を滅ぼして北上してきたスペイン人と接触して、馬と羊を手に入れました。 以後、羊はナバホの大切な食糧になると共に、その毛糸を使った「ナバホ織り」は、現代に至るまで、大切な工芸品になっています。
ナバホ織り(左:イエビチェイ 右:トゥーグレイヒル)

ナバホ織り(左:イエビチェイ 右:トゥーグレイヒル)

その後、スペインから独立したメキシコとアメリカの間で戦争が起こり、アメリカが勝つとナバホの大地はアメリカの治める所となります。するとアメリカ人は「ナバホの地に金鉱が有りそうだ」として彼等を追い出してしまいます。これが「ナバホのロング・ウォーク」と呼ばれる悲劇で、ニューメキシコ州の東まで、およそ500kmの道のりを、20日間歩かされた後、幽閉されました。 しかし結局、金鉱は発見されない一方、ナバホの幽閉維持にも費用がかかったため、4年後に故郷への帰還を許されます。以後ナバホは現在の地で順調に人口を増やし、ナバホの国(ナバホ・ネイション)も拡大していきます。
ナバホの銀細工

ナバホの銀細工

この時期に特質すべきものとして、「銀細工のはじまり」があります。銀細工はもともとスペインが統治していた時代に、メキシコで銀鉱山が発見された事がきっかけで始まったものなのですが、ナバホは真っ先にこの技術を習得しました。ですから現在、全米のインディアンに普及している銀細工の元祖はナバホなのです。
「ナバホの結婚式」新郎新婦が青いトルコ石を乗せた銀細工の腕輪、指輪、ネックレスなどをつけている

「ナバホの結婚式」
新郎新婦が青いトルコ石を乗せた銀細工の腕輪、指輪、ネックレスなどをつけている

しかし近代になって、厳しい時期がありました。それはウラン鉱の採掘です。アメリカとソ連の冷戦時代に核開発競争が起こり、ナバホの地で多量のウランが採掘されました。そしてこの仕事に従事したナバホの人々はウラン鉱石の粉塵を吸い、多くの死者を出しました。現在は、鉱山跡はすべて封鎖されています。 現在もナバホはいくつかの問題をかかえています。失業率が高いこと、白人文明に接して以来、栄養価と脂肪分の高い食品が普及し、肥満者や糖尿病患者が増えていること、酒に対して抵抗力のなかった彼等に、白人から酒を供されたのがきっかけで、アルコール中毒患者が増えている事などです(ナバホ・ネイションでは飲酒が禁止されているので、注意してください)。 もう一つの問題はナバホ語を話す人達が減っている事ですが、これは少しずつ改善されています。言葉は文化の基礎です。現在ナバホ・ネイションでは義務教育からナバホ語を教えています。 10年ほど前に『ウインドトーカーズ』という映画ができ、日本でも公開されました。これは太平洋戦争時代、アメリカが暗号にナバホ語を使った史実に基づいて、作られたもので、「暗号発信者のナバホをニコラス・ケイジ扮する白人が守る」という物語でした。日本軍は、最後までこの暗号を解読する事ができませんでした。 この映画はナバホの人々を鼓舞するのに役立ち、ナバホ語を見直すきっかけにもなっています。現在、アリゾナ大学や、ニューメキシコ大学でもナバホ語を教えています。 ナバホ族は白人文化を取り入れて生活する一方、伝統も大切にしており、彼等の伝統的な家「ホーガン」の中で、お祝いや病気治癒の祈りとしてメディスン・マン(ナバホの僧侶、祈祷師)による祈祷もしばしば行われます。
ホーガン

ホーガン

この祈祷の時に床に描く砂絵をコンパクトにして板の上に描いた物は、ナバホ特有のインテリアとして旅行者に人気があります。
砂絵

砂絵

ナバホタコ

ナバホタコ

食べ物ではナバホ・タコが名物で、これはナバホ・ネイション内のレストランで食べられます。 既に述べた「ナバホ織り」や「銀細工」にもぜひ目を向けてください。これらは高価ですが、買うのであれば、小さくてもいいから本物を買いたいですね。 音楽では、カルロス・ナカイのインディアンフルートが全米に知られています。YouTubeで「Carlos Nakai」を検索すれば美しい曲の数々を聞く事ができます。特に「Four Sacred Mountains」は代表作です。ナバホは東西南北に聖なる山をもっており、これはそれを讃える曲です。彼のCDは日本でもネットで購入できますが、現地でジャケットを見ながら物色するのも楽しいです。 またモニュメント・バレーやアンティロープ・キャニオンを訪れた折りには、ぜひナバホの料理を食し、おみやげ屋さんをのぞいてみてください。 最後に、ナバホのお祭りですが、部族あげてのお祭りは9月第一週の週末に、ナバホの国の首都、ウインドウ・ロックで行われます。太鼓に合わせて踊る勇壮な男性のパウワウ、スカートにたくさん付けた小さなベルが、身をひるがえすたびに鳴る女性のパウワウ、それに子供のパウワウなど。写真は子供の踊りの正装姿です。その他、ロデオやミス・ナバホの選抜、農作物の大きさ比べなどもおこなわれます。
左:男性のパウワウ 右:祭りの正装をした少年

左:男性のパウワウ 右:祭りの正装をした少年

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