追われる先住民族~スペイン人の本格的殖民
北米よりも南米では、社会が遥かに進んでいた。メキシコのアステカとペルーのインカという二つの大帝国があった。中南米の総人口は約2000万人あり、数十年の間に征服とそれが持ち込んだ疫病の為にインディオの人口は、200万人または、それ以下に減ってしまった。征服のごく初期から労働力の供給源としてアフリカ人奴隷に対する需要があった。

天然痘はともかく、歓迎すべきものをヨーロッパ人は数多く伝えた。小麦と大麦、及びその栽培を可能にする犂(すき)、サトウキビとブドウの栽培法、そして何よりも重要なのが家畜である。インディオは、犬、アルパカ、ラマを別として、動物の家畜化を行わなかった。ヨーロッパ人は、犂を引く牛を始め、馬、ラバ、ロバ、羊、豚、それに家禽を持ちこんだ。最初から優秀な馬、そして1級品のラバやロバが創り出される。スペイン人は、西ヨーロッパで唯一馬に乗って家畜の大きな群れを追う経験を持っていた。それが新世界の目立った特徴となる。ほどなく巨大な牧場が鉱山地帯に大量の食用牛と使役用ラバを供給する様になった。
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