ブラックキャニオン国立公園内部にはサウスリムとノースリムにキャンプ場施設があるのみで他の宿泊施設は無し。周辺の町ではモントローズかガニソンの町にモーテル等の宿泊施設が沢山ある。
決して気軽に行ける場所ではないが、行く価値は大いにある。距離はあるが最も一般的なのはデンバー空港からレンタカーして、車で西へ約4時間で行ける。数日間かけてロッキー山脈国立公園、メサベルデ国立公園と合わせて周遊旅行にしても良い。 もしくは、ガニソン空港へ直接飛ぶ方法もある。あるいは、アリゾナ州のフラッグスタッフやフェニックスに飛び、レンタカーでグランドキャニオン、モニュメントバレー、フォーコーナーズ、メサベルデ等回る旅行というのもお勧めできるコース。
キャニオンランズ国立公園
入園料 (2020年7月現在*) ・自家用車 $25(1台あたり。1台最高15名まで。7日間有効) ・オートバイ $15(1台あたり。7日間有効) ・個人 $10(1人あたり。徒歩、自転車など。7日間有効)
デッドホースポイント州立公園
入園料 (2016年7月現在*) ・自家用車 $10(1台あたり。1台最高8名まで)
1916年にKolb探検隊がラフティングを駆使して河川を探検するまでは、まさに前人無踏の地であり、開拓民や毛皮商人たちがこの地を通ることはあっても、崖の上から渓谷を眺めるだけであった。 この人を寄せ付けないほどの圧倒的な水の流れが、ブラックキャニオンという原生代の硬い結晶質岩を垂直に700mも切り込むとてつもない渓谷を創り上げた。 ブラックキャニオン国立公園は、地質の宝庫と呼ばれ地元ガニソンにあるウエスタン・ステート・カレッジ(コロラド州立大学)地質学部の屋外研究室とも呼ばれ、一般的には地球の奥深くにしか存在しない約20億年前の先カンブリア紀に形成された変成岩や火成岩を見ることが出来る。 ブラックキャニオンの名の由来ともなった黒い壁はGneiss(片麻岩)やSchist(片岩)と呼ばれる変成岩がブレンドされており、所によりピンク色の帯のように見えるのは、Pegmatite(巨晶花崗岩)と呼ばれる火成岩が地熱による圧力で地中からマグマとして岩の割れ目を昇って来たゆっくりと冷えて固まったもの。長い年月の大陸移動で幾多にも複雑に折り曲がった地層を目の当たりに出来るのも魅力の一つである。 三畳紀の終わりごろからジュラ紀の初期、今から約1億9千万年前頃から超大陸パンゲア大陸がローラシア大陸とゴンドワナ大陸へと分かれ始めた。ローラシア大陸はさらに分裂し、ローレンシア大陸、バルティカ大陸、シベリア大陸、カザフスタン大陸、シナ地塊となった。 現在の北アメリカ大陸はローレンシア大陸から分かれてきたもので、西に向かって移動していく際巨大な太平洋プレートとぶつかり現在のカリフォルニアの部分から東に向かって徐々に地層の皺寄せ活動が始まった。コロラドまでこの皺寄せ活動が到達したのは今から約6千万年前のことである。当時起きた活発な隆起活動と火山活動にて水源となる高地が生まれ、東部にあるサワッチ山塊と北部にあるエルク山脈の雪解け水が現在のガニソン川を作り出したのが今から約1千万年前から1千5百万年前である。 偶然の重なりか、この膨大な雪解け水のちからと、当時起きた台地の隆起活動が合わさって水の流れをさらに強くし、1千万年という地質上では瞬きするような短い間でこの深い渓谷を刻んだのである。 現在も春先にはロッキー山脈から流れ出る雪解け水がガニソン川に流れ込んで来るが、3つのダムが建設され水量は調整され、渓谷の侵食を防いでいる。