アメリカ大陸の中で、人類が最も長く生息している地域

キャニオン・デ・シェイ国定公園

Canyon de Chelly National Monument

基本情報
概要
西部の荒野、赤茶けた大地に切り立つ巨大な岩、300mもの切り立った断崖絶壁の下、先住民族の遺跡がひっそりと隠れるように存在する、そんな不思議な光景が40キロ以上にわたって続くのがこのキャニオンデシェイ・ナショナルモニュメントである。 アメリカ大陸の中で、人類が最も長く生息している地域の一つであり、遺跡の保存状態がほぼ完璧で、考古学上、文化遺産の研究、そして地質学的にも非常に貴重な存在とも言われている公園である。 さらに、キャニオン・デ・シェイでは、今でも先住民族であるナバホ人たちが暮らしており、アメリカ内務省管轄のナショナルパークサービスに属する土地でナバホ国であるナバホ・トライバル・トラスト・ランド(ナバホ民族保護区域)と土地を共有し、公園も共同運営という非常に珍しい形を取っている。
アクセス情報
最寄の主要空港:アルバカーキー、ニューメキシコ州
※日本からは西海岸主要空港経由
※アルバカーキーからキャニオン・デ・シェイ国定公園までは車で約3時間半
※ラスベガスからキャニオン・デ・シェイ国定公園までは車で約6時間半
年間平均気温
主な見どころ
キャニオン・デ・シェイは大きく北と南に分かれ、それぞれノースリム・ドライブと、サウスリム・ドライブが観光用に用意されている。 公園内は全てナバホ国の地域であり、ナバホ人の生活とプライバシーを保護する目的から、個人的に観光することは基本的に許されていない。 唯一許可なしで訪問出来るのはサウスリムのホワイトハウス遺跡だけである。他の箇所へは、全てナバホの運営するツアーに参加して見学できる。 時間があまり無い人には、オーバールック上から見下ろすだけでもキャニオン・デ・シェイの美しさを楽しめるが、やはり実際谷に下りてがけを見上げ、先住民族の遺跡を目の前に見学することをお勧めする。
North Rim Drive
ノースリム・ドライブ
ビジターセンターから約30キロほど。ゆっくりと回るのは2時間ほどかけて3箇所のオーバールックからキャニオン・デ・ムエルトの景色を楽しもう。 写真には午前中、日の出30分後くらいがベストである。
South Rim Drive
サウスリム・ドライブ
キャニオン・デ・シェイを代表する7箇所のオーバールックポイントがあり、2時間はたっぷりかけて観光しよう。写真は午後から日没に至るまでの間がベスト、特に日没前の岩が肌色から赤く染まっていくシャッターチャンスをお見逃し無く。 サウスリムから行ける遺跡で代表的な箇所はホワイトハウスとスパイダーロック。ホワイトハウス遺跡は許可なしで谷まで降りることの出来る唯一の場所である。
White House Trail
ホワイトハウス・トレイル
標高差約180m、片道2キロの緩やかなトレイル歩きが必要となり、最低2時間と2リットルの水が必要。必要であれば料金を払ってナバホの公認ガイドを雇うことが出来るが、個人で歩く場合は定められたトレイルから外れてはいけないことになっている。 トレイルの道中ナバホ人達が今も暮らしている家も見ることが出来る。 ホワイトハウス遺跡は、絶壁の真下に隠れるように作られた住居で、キャニオン・デ・シェイの中でも最も有名な遺跡、数多くのポスターやイメージ写真として使用されている。
Spider Rock
スパイダー・ロック
サウスリム・ドライブの終点にあるスパイダー・ロック・ポイント。 ホワイトハウスに次ぐキャニオン・デ・シェイのメインスポット、谷底からまるで蜘蛛の足が伸びてきてるかのごとく聳え立つ岩山を目の前殻見ることが出来る。 ナバホ人達はこれを「聖なる岩」として崇めている。 
その他の情報
公園内には宿泊施設は無い。公園の入り口、Chinleの町にはベスト・ウエスタン、ホリデーイン、そして入り口の一番近くにはサンダーバード・モーテルがある。部屋数は限られており、観光シーズンには人気が高くしかも周辺にあまり町も無いため、行く際は必ず予約を取ってから行くようにしよう。
ベスト・ウエスタン
• (928)674-5875 or 800-327-0354
• P.O. Box 295, Chinle, AZ 86503,
数多い公園の中でも最も行きにくい場所のひとつ。フェニックス、フラッグスタッフ、アルバカーキ、サンタフェ等の都市に飛行機で入りそこからレンタカーで行くのも一つだが、ラスベガスからグランドキャニオン、モニュメントバレー等を観光してコロラドへ抜ける観光ルートに入れたり、ニューメキシコ州へ進んだりすることも出来る。

入園料 (2020年7月現在*) 無料
許可なしにはなかなか見学できないキャニオン・デ・シェイ、見るスポットはたくさんあるため、時間を有効に使う必要がある。そこで、各々の過ごせる時間を有効に使えるように観光ルートを用意した。

2時間: サウスリム・ドライブ上の7箇所のオーバールック及び、ノースリム・ドライブ3箇所のオーバールックをドライブしながら駆け足で見学、遺跡めぐりは無し。

半日: サウスリム・ドライブとノースリム・ドライブ上全てのオーバールック10箇所の見学とホワイトハウス・トレイル見学。またはビジターセンターから出る半日ツアーに参加。

1日: サウスリム・ドライブとノースリム・ドライブ上全てのオーバールック10箇所の見学とホワイトハウス・トレイル見学に加えて、ビジターセンターから出る半日ツアーに参加。 または1日ツアーに参加。

2日: サウスリム・ドライブとノースリム・ドライブ上全てのオーバールック10箇所の見学とホワイトハウス・トレイル見学に加えて、ビジターセンターから出る半日ツアーに参加。 そして翌日は1日ツアーに参加。
アメリカ南西部、フォーコーナーズ(4つの州{コロラド、ユタ、ニューメキシコ、アリゾナ}が十字に交差する一帯に生存していた有史以前の先住民族に関しては現在も様々な議論が交わされ定説は無いが、最もポピュラーな説としてはおよそ2万年前を前後して、ベーリング海峡を渡ってきた古代民族が狩猟をしながらアメリカ大陸を南下しながら点在していった際の一部であり、そのまま南下を続けていった人々は南米まで到達し、高度な文明を築き上げたというもの。 高度文明を持った先住民族はキャニオン・デ・シェイ周辺においては、今からおよそ1900年前、アナサジ(祖先の)と呼ばれる先住民族がこの地に住み始め、当時は特に部落というものを持たず各自ばらばらに生活をしていたが、主に農耕を営んでいたと考えられている。さらにその昔からは約5000年以上も前からそれ以前の人類が生 活していた。 11~13世紀にはおよそ30万人もの先住民族がここいら周辺に生息していたといわれている。ここに住んだアナサジ(先住民族の祖先)は、狩猟、採集、やがて農作物の栽培なども始めたが、これほどの文化をもった先住民たちが、13世紀にはなぜかこの地を放棄して南へ移動していった。大規模な干ばつがあったのか、敵から逃げるためか、はっきりとした理由はいまだに不明となっている。 一時は人気のまったく無い地域となった場所に、アラスカやカナダ東部で発達したアサバスカ民族の人々が南に移動してきて、現在のナバホとなり移り住み、平和な民族であるナバホの人々は岩を聖なる岩の神、大地を母なる土の神と崇め、スピリチュアルな生活を営んでいる。
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