景色が最も美しく見えるのは夕方から日没にかけてなので、タイミングを見計らって行くように。少々無理すれば、ワシントン州シアトルを早朝出発、レーニエ山で午前中を過ごし、夕方までにセントへレンズを観光、夜までにシアトルまで戻る事も可能だ。
園内に宿泊施設は無い。近くに宿泊希望であればシルバー・レーク周辺のモーテルが良いが、日帰りするのであればオレゴン州のポートランドが良い。
無料
しかし、マウント・セイント・ヘレンズビジターセンターには博物館があり、こちらは18歳以上は$5、7~17歳は$2.50、6歳以下は無料で入場可能。
1980年、5月18日午前8時32分、セントへレンズ山の地下にて発生した震度5.1の地震が引き金となり噴火をもたらした。 噴火は上空3000mまで達する激しい勢いで起こり、火山灰は上空2万メートルまで登り、火砕流、土石流が周囲300キロ平方メートル以上に及ぶ森林の全てを一瞬にしてなぎ倒し、大自然の驚異を改めて人間に認知させる大きな出来事であった。 この大噴火によって、山頂部全体は大きく崩壊し、それまで約2900mあった標高は2500mへと改められた。噴火によって400mもの標高が無くなってしまったのである。 地震と噴火によって、史上最大と呼ばれる地滑りが起き、付近を流れていたノースフォーク川とトートル川は一瞬にして高さ50m~200mの土砂で埋め尽くされ、山頂部分に残っていた雪が噴火の熱によって溶かされ巨大な土砂崩れを引き起こし、近辺27の橋、200軒の家、300kmに及ぶ道路が崩壊された。 このセントへレンズの歴史に残る大噴火は、色々なストーリーを生み、数多くの映画も製作された。 セントへレンズを訪れると、噴火から28年が過ぎた今でも何百万本もの木々が倒壊し、河口付近の植物は未だに壊滅状態、泥湖、溶岩があたりを殆ど埋め尽くし、当時の威力の凄さをひしひしと感じる事が出来る。 噴火はしばらくおさまっているが、小規模の火山活動は未だに続いており、火口内の溶岩ドームからは水蒸気が吹き上がっているのがしょっちゅう確認出来る。 このセントへレンズは、かなり以前から予知され、被害者は多く出たにも限らず予知研究によって最小限の被害で済んだ噴火と言われているが、1980年の噴火以来、USGS(US地質学研究所)がしっかりと張り込み、ちょっとした地殻変動、地熱の変化も全て記録しており完全な監視下に置かれている。