ヨセミテ国立公園はカリフォルニア州の中東部、シェラネバダ山脈に広がる自然公園で、世界的にも日本人にとっても最も有名な国立公園のひとつであろう。
特に日本人にとって、高原、高山、川、森林という上高地や尾瀬、そして北アルプス山脈を連想させる完璧な避暑地というイメージがあり、日本人が訪れる国立公園としてはグランドキャニオンと並んで最も人気が高い。
4000m級の山々、1000mの絶壁、巨大な滝、裾野に広がる草原、深い森林と美しい小川は世界中の旅行者を魅了している。
ヨセミテの魅力は、その広大さと手つかずの大自然。観光客が集中するヨセミテ渓谷は全体の1%にも満たず、道路、建物、トレイルといった人工物を全て入れても全面積の9割は全く手つかずの森林がそのまま保存されている。
ヨセミテは1864年に州立公園、1890年に国立公園として指定され、1984年には世界遺産に登録された。シェラネバダ山脈が隆起してきたのが今からおよそ1,000万年前、山脈は西側に緩やかに傾く高原と、東側の急峻な岩肌を形成した。
太古から流れる川の流れと、相次ぐ氷河期の到来により急峻な渓谷は滑らかなU字谷と変わっていった。100万年前の氷河期には、氷河がヨセミテ渓谷全てを埋め尽くすほどの時期があり、当時の氷河の厚さは1200mに達したと考えれらる。ヨセミテ国立公園は、シエラネバダ山脈の中でも非常に多岐に渡る生態地域が存在している。標高600mから4000mまで、実に5つの植生帯(シャパラル/オーク森林帯、低地・低山植生帯、高地・低山植生帯、亜高山帯、高山帯)に分かれ、カリフォルニアにある約7000種の植物のうち20%以上がヨセミテ国立公園内で見られる。 野生動物も多く、ブラックベア、アライグマ等の哺乳類が100種類以上、鳥類は200種以上生息している。もともとこのエリアは、1万年前頃から先住民の祖先が生息していたと言われている。 11世紀頃からアワネッチー(アワニー)、パイユートと呼ばれる先住民達が住み着き暮らしていた。 1848年、カリフォルニア州コロナの町に流れる小川から金が見つかった。ニュースはあっという間に広がり1849年にかけて約10万人がカリフォルニアに押し寄せてきた。 当時、アワニーチーズ人達がヨセミテ渓谷で平和な狩猟生活を送っていたが1851年、白人のマリポサ大隊はヨセミテ渓谷に攻め込み、土地をカリフォルニア州のものとしてしまう。テナヤ酋長率いるアワニーチーズ達は必死の抵抗をするが、弓矢に鉄砲相手では勝ち目無し、この対立はマリポサ戦争として歴史に残っている。ヨセミテは大きく分けてヨセミテバレー/ヨセミテビレッジ、グレーシャーポイント、マリポサグローブの3箇所に分けられる。
ヨセミテビレッジは観光客が集まる一番人気のスポット、全ての観光の中心で、手軽に観光できるスポットの殆どがここに集中している。