公園内には以前フラミンゴ・ビジター・センターにロッジがあったが、2005年のハリケーン以来再建の目処がたっておらず、キャンプ場があるのみ。その代わり、公園入り口にはマイアミ、ホームステッド、キーウエスト、または4時間離れるがオーランドと、宿泊には事欠かさない観光都市が沢山ある。
マイアミビーチ、またはマイアミからレンタカー。 北側のシャーク・バレー地域までは41号線をひたすら西へ30分。南側へは1号線から9336号線南へと進み、約30分少々で公園入り口へ到着する。フラミンゴ・ビジター・センターまでには1時間以上は見ておいた方が良い。マイアミからエバーグレーズへは公共の乗り物は無いため、レンタカーかツアーに参加する。
エバーグレーズ国立公園
入園料 (2020年9月現在*)
・自家用車/自家用船 $30(1台あたり。7日間有効)
・オートバイ $25(1台あたり。7日間有効)
・個人 $15(1人あたり。徒歩、自転車、パドルボートなど。7日間有効)
エバーグレーズ国立公園、米国内最大の亜熱帯原生地帯であり、珍種類や絶滅の危機に瀕している野生動物が多く生息しており、世界でも珍しい「生命の保護」を目的とした国立公園として、世界遺産にも指定されている。
スペイン人が上陸した1513年より以前、現在のエバーグレーズ国立公園であるフロリダ南部はカルサと呼ばれる先住民族が紀元前1000年ごろから生活を営んでいた。
カルサ人は先住民族の中でも非常に統率の取れた民族であり、貝殻を使用した建築物、道具、木彫り、長距離移動用のカヌー等、数多くの文明を残している。
カルサ民族は17世紀に、開拓民達によって用いられた疫病によりほぼ全滅した。
南部フロリダからカルサ先住民族が消滅したことと、白人開拓民がフロリダ北部に多く押し寄せることになったことで、当時北部に生息していた先住民族であるクリーク人達が追いやられるように南部に移動してきた。
18世紀になると、南部フロリダにはクリーク、セミノール、ミッコウスキー3つの先住民族達が生息するようになった。先住民族たちは20世紀の半ばから激減し始めたが、米国政府と土地をめぐっての権利争いは現在に至るまで続いている。
エバーグレーズの湿地帯は、かつてフロリダ半島の大半を占めるほど広大な面積であったが、20世紀半ばから近郊の都市化、農業開発の影響で湿地帯に水路を作り水を排出、湿地帯の半分以上が農地へと変わって行った。さらに進む都市化の影響で、長い間続いていた湿地帯の生態系は崩れだし、1950年代だけで、生息していた野生動植物の80%が死滅したとも言われている。2000年以来、市民達の運動で、水路を埋め立て農地を湿地帯に戻し湿地帯を元の姿に戻そうと必死の自然保護活動が続けられており、2007年にはようやく世界危機遺産リストから外れることとなった。 エバーグレーズ国立公園は1年中温暖で数多くの野生動物の宝庫、湿地帯を我が物顔で移動する野生のワニ、シンボル的な存在にもなっている美しいフラミンゴ、マナティ、トキ、サギ、ペリカン他、カワウソやシカ、ピューマ等も生息している。
見渡す限りの湿地帯、ジェットボート、カヌー、ハイキング他、観光には事欠かさないが、湿地帯ゆえに蚊は一年中存在するのであらかじめ虫除けの準備をしていくこと。