2つの国、2つの国立公園

ウォータートン・グレイシャー国際平和公園

Waterton Glacier International Peace Park

基本情報
概要
アメリカ・モンタナ州にあるグレイシャー国立公園と、カナダ・アルバータ州にあるウォータートン・レーク国立公園、この2つの国立公園が国境をまたいでつながっており、ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園と呼ばれている。 日本ではあまり知られていないが、毎年5月下旬から8月下旬、長くても3ヵ月半しかオープンせず、飾り気の無い本当の大自然がそのまま残っていると言う意味で真の自然派にはおそらくここが最も人気のある公園である事は間違いない。
アクセス情報
最寄の主要空港(アメリカ合衆国):ヘレナ
最寄の主要空港(カナダ):カルガリー
※日本からは西海岸主要空港経由
※カルガリーからウォータートン・グレイシャーまでは車で約2時間半
※ヘレナからウォータートン・グレイシャーまでは車で約4時間
年間平均気温
主な見どころ
Going to the Sun Road
サンロード
1932年、11年間かけて完成された観光ルート。急な崖や岩をくり貫いたトンネルを通っているため大型バスは通過出来ない。各ホテルから公園が用意する昔風の観光用車両がローガン峠を超えて走っているので利用すると良い。 東から入る場合は、レイク・マクドナルド沿いに走り、ローガン・パスのところで大陸分水嶺を越え、セントメアリー・レイクに下ってゆく。 見どころや展望所が道路沿いにあるので、ゆっくりと眺めたり写真を撮ることができる。通常メニーグレーシャーからだと朝8時頃出発、午後1時頃には公園西側のレーク・マクドナルドに到着する感じである。帰りは公園南側のルートを走って帰るので早い。
Many Glacier
メニー・グレイシャー
公園の北東部に位置し、湖畔にメニーグレーシャー・ホテルが建っている。 ホテルからはボートクルーズや乗馬、氷河で削られてできた谷での探検などが楽しめ、湖畔沿いのジョギングもお勧め。 メニーグレーシャー・ホテルから始まるグリンネル・グレーシャー遊歩道は、はるか上の氷河まで続いている。
Logan Pass
ローガン・パス
標高約2000mの所を通るローガン峠。峠上にはローガン・パス・ビジターセンターがある。には。ビジターセンターからヒドゥン・レイク展望所まで登るハイキングコースは人気のあるコース。6月、7月上旬は高山植物が咲き乱れ非常に美しい。 ビジターセンターからはガイド付きの1日ハイキング等も行われている。
Waterton National Park (CA)
ウォータートン国立公園 (カナダ)
ウォータートン・レイク国立公園 を観光するためには、アッパー・ウォータートン湖のほとりにあるウォータートンの町に行くか、町のシンボルにもなっている「プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル」に行くと良い。アッパー・ウォータートン湖を見下ろす高台に立ち、そこから眺める景色は国境を越えてモンタナ州のゴート・ハウントまで続いており、両側から湖にせり出す山並みは幾重にも重なって、まさに完璧な景色を見る事が出来る。
その他の情報
車で動き回れると言う点を利用してなるべく長期間滞在し、ハイキング・トレールを楽しもう。グレーシャーの唯一の難点はアクセス。カナダ側からはカルガリーから4時間、アメリカ側からだとモンタナ州の北部になるので航空の便は良くなく、近い空港ではカリスペル、グレートフォールズ、スポケーンとあるが、いずれも航空便のアクセスが良いとは言えない。空港からはレンタカーをして移動のほかは手段無し。他の手段としては、Amtrak鉄道でイーストグレーシャーに入り、グレーシャー・パーク・ロッジに宿泊して観光を楽しむのはお勧め出来る。
メニー・グレイシャー・ホテル(アメリカ)
一番のお勧めはメニー・グレイシャー・ホテル。年間3ヶ月しかオープンしていない上最高の立地条件とあり一般で予約を取るのは難しいホテルだ。 ホテル自体は、決して豪華では無く、荒々しい丸太がむき出しになった迫力のある巨大なログ・ホテルと思ったほうが良いが、美しい湖畔沿い、壮大な山々に囲まれた最高のセッティングには何も適わない。高級リゾートに求めるような豪華さ、煌びやかさは微塵も無いが、むしろ大自然の懐に抱かれる自分を大いに感じ素直に贅沢な気持ちになれる。 このホテルに泊まりたければ最初からツアーに参加したほうが良いかも。

レーク・マクドナルド・ロッジ(アメリカ)
マクドナルド湖畔沿いに建つロッジ。東側のホテルに比べ山の稜線が目に飛び込んでくる景色はあまり無いが、湖沿いに建ち、レストランも完備されローガン峠に向かっている観光道路沿いなので観光には便利。

プリンセス・オブ・ウェールズ ホテル(カナダ)
アッパー・ウォータートン湖を見下ろすこのホテルは、周囲の景色に溶け込んで、完璧な絵葉書を見ているような風景を作り出している。ホテルは古く、あまり機能的では無いが、外見、周辺の景色は世界でも誇れるトップレベル。 湖に面したレストランでの食事は優雅な雰囲気が味わえ、一瞬大自然の中にいる事を忘れてしまう。
グレーシャー国立公園
(2020年7月現在*)

・自家用車 $30 (1台あたり。7日間有効)
・スノーモービル、オートバイ $25
・個人(徒歩、自転車、スキーなど) $15 (1人あたり。7日間有効。15歳以下は無料。)
・年間パス $55 (1年間有効)
・共通パス $80(他の国立公園などでも使える共通パス。1年間有効)また、毎年無料の日が数日ある 2020年 1月20日 4月18日 8月25日 9月26日 11月11日 *最新情報は国立公園のサイトにて確認できる。


ウォータートン国立公園
*金額は全てカナダドルとなっております。(2020年7月現在)

夏季入園料 ・大人(18~64歳): $7.90
・シニア(65歳以上): $6.90
・子供(17歳以下): 無料

冬季入園料
・大人(18~64歳): $5.90
・シニア(65歳以上): $5.00
・子供(17歳以下): 無料
グレーシャー国立公園は1910年に設定されたが、その昔は先住民族のブラックフィート、サリッシュ、クーテナイなる3つの部族がこの周辺に住んでいた。 1800年代初頭からフランス人、英国人、スペイン人の狩人達がビーバー目的でここら辺に入り込み、1806年にはルイス&クラーク探検隊が現在の公園から約80キロ近くを通過したが、この素晴らしい大自然には足を踏み入れなかった。 1800年代の後半には鉄道がしかれ、開拓民達が移住を開始し、ゴールドラッシュの波に乗って金鉱堀り達がたくさん集まってきたが、この周辺から大きな金脈も銅山も発見されず、マイナー達のブームは数年間で終わる。 マイナー達が去った後、ようやくこのグレーシャー地域の美しさが人々の目に触れるようになった。 当時は鉄道旅行が空前の大ブーム。現在のウエスト・グレーシャー駅で人々は下車し、馬車で数キロ離れたマクドナルド湖まで移動、その後はボートに乗って13キロ離れたスナイダー・ホテルまで移動し、 湖を利用してボートで移動しながらの観光がスタイルだった。 1910年に国立公園として指定されると開拓が始まり、現在公園の真ん中を通る唯一の道路である“太陽への道”が敷かれた。 1932年にはアメリカ・カナダ2カ国をまたぐ世界唯一の国際公園、1995年にはユネスコの世界遺産に指定された。 現在は、イーストグレーシャーに Amtrak(大陸横断鉄道)が泊まり、駅から歩いて100mのところに建つGlacier Park Lodgeに泊まり、当時のようなスタイルで観光が楽しめるようにもなっている。
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