世界最大級の石灰岩鍾乳洞

カールスバッド洞穴群国立公園

Carlsbad Caverns National Park

基本情報
概要
ニューメキシコ州、グアダルーペ山脈、草木があまり無い沙漠と岩山が連なる大地に空いた大きな穴、そこが世界最大級の石灰岩鍾乳洞、カールスバッド洞穴群国立公園である。 公園内には現在発見されているだけで113の洞窟群があり、そのうちの一つはレチュア・ケーブで深さ489m、全米最深。 1930年に国立公園、1995年には世界遺産に指定されており、整備も行き届き、遊歩道はもちろん、公開されている最深部までエレベーターで上り下りする事も出来る。
アクセス情報
最寄の主要空港:アルバカーキー
ツアー出発地:アルバカーキー
※日本からは西海岸主要空港経由
※アルバカーキーからカールスバッド洞穴群国立公園までは車で約5時間
年間平均気温
主な見どころ
Natural Entrance
ナチュラル・エントランス
観光の進め方として、まずはビジターセンターの裏手から伸びるトレイルを少々歩き天然の入口に向かう。 夕刻はここからバットフライト(コウモリ)が観れる。屋外劇場のように座席が設けられており座って見学出来るようになっている。 天然の入口からは約1マイルの下降トレイルが走り、約230mほど地底に向かって降りている。ゆっくりと見学しながら歩いて1時間ほどで地底部分に到着する。
Green Lake Room
グリーン・レイク・ルーム
Scenic Roomsの中で最上のもの。部屋の隅のマラカイト(孔雀色)色の深いプールに因んで名づけられた。 1940年代に、米軍が非常時の核シェルターとしてのカールスバッド洞窟の可能性を調査したときに、 グリーン・レイクは遠くの核実験によってさざなみが引き起こされるかどうかの調査に使用された。(さざなみは起きなかった。)
Big Room
ビッグルーム
カールスバッドを代表する洞窟内最大の部屋。 床面積はなんとアメリカンフットボール場約14面分あり、ぐるっと見学しながら1周出来るトレイルが伸びている。 約1マイルで1時間ほど。ビッグルームにはカフェテリアも用意されている。
King's Palace
王宮
シーニックルームとして知られるウイングにある4つの部屋の中の1番目。部屋の中央にある大きな城のような鍾乳石に因んで名づけられた。
ルックアメリカンで行くツアー
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その他の情報
公園内に宿泊施設は無く、入口近くのホワイト・シティにモーテルがある。30分弱離れるとカールスバッドの町があり、ここにはホテルやモーテルが点在している。移動中に訪れるのであればテキサス州のエルパソが約3時間、UFOでおなじみのロズウエルは約1時間半の行程だ。
限られた時間の場合は、行きは歩いて天然の入口から下降し、ビッグルームを見学して、エレベーターで帰ってくる方法が良いだろう。時間がある場合は、レンジャーが行っている様々なケーブツアーに参加する事をお勧めする。ビッグルームは勿論のこと、キングス・パレス、ローワー・ケーブ、ホワイト・ジャイアント、スパイダー・ケーブ等がお勧めで、12月25日以外は年中無休。ただし、天然入口から入るには午後3時まで、他ケーブツアーはビッグルームとキングス・パレスを除いて殆どが午前中のみなのできちんと予定を組んで行こう。
カールスバッド洞穴群国立公園

入園料 (2020年7月現在*)
・大人 $15(16歳以上。一人あたり。3日間有効)
・子供 無料(15歳未満)
1930年に国立公園、1995年には世界遺産に指定されており、整備も行き届き、遊歩道はもちろん、公開されている最深部までエレベーターで上り下りする事も出来る。 この洞窟群は、約2.5億年前、まだ大陸のこの地域が赤道付近あたりに位置していた頃から形成が始まった。当時この付近は内海にあたり、長さ600キロに至る浜辺であった。 浜辺には貝殻や藻の残骸などが沈殿しカルサイト(方解石)と呼ばれる石灰岩の主成分となる地層が出来上がる。 やがて大陸移動と共に大地は隆起、内海の海水は蒸発し、浜辺には石灰岩、塩、石膏等の堆積岩が溜まっていった。 その後長い年月が過ぎ去り3000万年前頃から活発となったララマイド大変革(ロッキー山脈造山活動の南部の動き) によって周辺の大地は隆起を続け大地に深く埋まっていたかつては浜辺であった地層の部分が地表に出てくる。雨水は大地の中にしみ込み、人間が虫歯を患うかのように石灰岩を溶かし始めた。

50万年前くらいになると洞窟内部は大きな空洞が出来始め、天井から落ちる水一滴一滴が石灰岩の微粒子を運びそれが溜まって氷柱石や鍾乳石を造り出した。 水滴が地面に落ちると、二酸化炭素を空気と土壌を地面から吸収して弱酸性となり、さらに地面に入り込んでいく際石灰岩に溶け込んでいく。 水滴が天井からゆっくりと落ちる場所には鍾乳管や氷柱が形成され、水滴が知面に落ちる部分には石筍が形成される。氷柱と石筍がだんだんと伸びやがて一つにつながると石柱が出来上がるのである。 斜めになった天井からは水滴が落ちずにへばりついたように流れるためその上に石灰岩の粒子が溜まりカーテン状の堆積層が出来上がった。 洞窟内にある地底湖や小川には所々に方解石が溜まり洞窟真珠、ダム、はすの葉と言った形状の鍾乳石が出来上がった。 アメリカの先住民達はこの洞窟を避難場所として使用していたらしく、彼らの描いた洞窟壁画は入口付近にまだ残っているが、生活の場として使用された痕跡は無い。

カールスバッドが、この世に知られるようになったのはそのずっと後、19世紀になってからである。 開拓民がもともとこの地で夕刻から夜半にかけて無数に飛び回るコウモリの大群を見つけた事から、ビジネスマンのアバイジャ・ロングが鳥糞石を探し出そうと考え付いた。 鳥糞石は、肥料として非常に重宝され現代においても化学肥料等に多く使われているものである。コウモリを観察し、 洞窟を見つけ出し鳥糞石を採集するにあたって、ロングの仲間であったカウボーイのジム・ホワイトはこの奇怪な洞窟に取り付かれるようになる。 ホワイトは危険を承知で長い時間を探検に費やし、この自然の驚異を多くの人々に知らせようとしたが、初めの頃はなかなか信用されなかった。 当時はあまり危険を冒してまで探検をするような人々はあまりいなかったのである。 が、ホワイトは探検を続けいろいろな鍾乳石に自ら名前を付けていった。 やがて、1915年に白黒写真で洞窟の写真が公開されると大勢の人々が押寄せるようになった。 観光施設としては全く整っていなかったため、当時の人々はコウモリの鳥糞石を運んでいたバケツに乗って50m降下し見学していた。 やがてそのニュースはワシントンDCに届き、1923年にはナショナルモニュメントと指定、ジム・ホワイトは1925年に公園案内の責任者となっている。

カールスバッドが発見された立役者となったコウモリであるが、ここのコウモリは必見である。洞窟はおよそ100万匹と言われるメキシコ・オヒキコウモリの聖域となっており、約6種類のコウモリが生息している。 日中は洞窟の天然入口に設けられた通路上から天井に群がっているコウモリを見る事が出来るが、夕方になると飛び始めるコウモリの一群はまさに度肝を抜かされる。 毎年夏になると日没と同時に数匹のコウモリが餌を求めて洞窟の天然入口付近を飛び始める、その直後コウモリの一群は密集した旋風となり洞窟から飛び立ち始める。 時間にして30分程、長い時で2時間近く続く時もある。いったん洞窟から出たコウモリたちは波上の塊となり近くを流れるペコス川やブラックリバー渓谷の方までえさを求めて飛んでいくのである。 一晩中飛び続け餌を貪った後は、夜明けと共にまた洞窟内に戻るのだが、コウモリたちは入口の上空で位置を決めると羽を体につけ、洞窟内の暗闇へ急降下して突入していくのである。この際突入も一見の価値あり。
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